絶滅の危機に瀕した飛べないオウム・カカポの貴重なヒナに会った!

はじめてカカポを写真で見た時、私は本気で「これ、ぬいぐるみ?」と思いました。

そのくらい、ふわふわで可愛いカカポなんですが、さらにふわふわのヒナたちが公開される貴重な機会があったので、会いに行きました!

ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ 53/1000

 

Kia Ora! うちだいずみです。

ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ、53個めの今回は、今年大繁殖中のカカポのヒナに会ってきました!

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2019年希少なカカポの記録的な繁殖を支えた、世界最先端の保護とは?(その1〜基本編)

ヒナなんと77羽! 2019年カカポの大繁殖、その記録を総まとめ

絶滅の危機に瀕した飛べないオウム・カカポの貴重なヒナに会った!

2019年夏。ニュージーランドの飛べないオウム・カカポが大繁殖中!

絶滅に瀕した世界一重いオウム・カカポの最新情報はここで分かる!

 

世界に147羽しかいないカカポ、ヒナが75羽も誕生!

カカポはニュージーランドだけに生息する、世界一重い飛べないオウムです。

のんびり生きていたのですが、人間が来てから住む森がなくなっていき、また人間が連れてきたネズミやネコ、オコジョなどに襲われて数が激減、絶滅の危機に瀕しています。

1990年頃には、全世界に40羽程となってしまったのですが、手厚い保護のおかげで、30年かけてようやく100羽ほど増え、昨年末に147羽までようやく増えました。

その希少なカカポ、今シーズンは大繁殖しています! 記録的な勢いで、ヒナがいっぱい生まれています。

2019年4月15日時点で、なんと75羽も! 30年間で増えた分の、75%が1年で増えたんです。

こちらのブログ記事「2019年夏。ニュージーランドの飛べないオウム・カカポが大繁殖中!」にも書いてあるのですが、とにかくいっぱいいるので、保護されている島ばかりではなく、ダニーデン やインバカーギルにも保護チームがいて、ヒナのお世話をしています。

そのインバカーギルで、今回、ヒナのお披露目会がありました。

急な発表! お披露目チケットはこうして確保した

今回は、あまりにいきなり発表があったので、たぶん、多くの人は、ヒナお披露目会のことを知らなかったか、あるいは知っても来られなかったのではないか、と思います。

でも私は「今年はヒナのお披露目会がある!」と、実は確信していました。

過去にも2回ほど、ヒナがたくさん孵った年には、インバカーギルでヒナのお披露目会があり、私自身も1度行ったこともあったからです。

それで「いつかな、いつかな」と待っていました。

お披露目会の発表があったのは、4月9日(水)でした。

 

私は、自然保護庁 Department of Conservation(DOC)のフェイスブックページのお知らせから知りました。

ほぼ同時に、カカポ大使と言われているシロッコちゃんのFBページと、カカポ保護チームのFBページからもお知らせが流れました。

私は全てをチェックしていたので、情報が入るとすぐに詳細を確認し、びっくり。

「ええ〜っ、お披露目会って、今週の土日と来週の月曜日の3日間だけ!?」

すごく短期間の募集です。これでは、インバカーギルの町の人と、超興味を持っている近くの町の人くらいしか見ることはできないでしょう。

でも会いたい! チケットが売り切れるまでに確保しなくては!

予約は時間が30分おきに区切られていました。

私は、日曜の最後の枠ならば予定がないから行けると思い、すぐにイベントページの「チケットを購入」ボタンを押しました。

しかし、チケット代($10でした)を払う仕組みもなく、これでは購入しているのかどうか、わからない。

そこで、自然保護庁に「チケットを2枚買いたい」とメールを出しました。

 

すると、「関心を持ってくれてありがとう」と返事が来ました。

しかし「チケットを押さえたという確認書をください」と言ったら、「チケットの購入はインバカーギルのインフォメーションセンターからのみだから、そちらに連絡するように」ということ。

えええ! じゃあ「チケット購入」ボタンの意味ないじゃん! 予約したつもりでいたら危ないところだった!

とにかく確保するまで動かなくては。

翌日4月10日(木)、お披露目会のすでに2日前です。ドキドキしながらインバカーギルのインフォメーションセンターI-Siteに電話して、チケットの購入が可能か聞きました。

よかった、まだチケットありました!

そして「お金を払わないとチケットは取れない」とはっきり言われたので、すぐクレジットカードで支払いました。お金を払ったら、もう大丈夫でしょう!

カカポの羽に触って、匂いを嗅いだ!

 

当日、チケットをインフォメーションセンターでピックアップして、そこから歩いて5分ほど、会場となる自然保護庁のオフィスへ。

 

自然保護庁のオフィスは、オフィス街にある全く普通のビルで、「ここでいいの?」という感じなのですが、入り口にカカポのバナーがあり、予約時間を待っているらしき人かげがちらほら。

ビルの中に入ると、すでに1階の踊り場のところに受付があり、チケット(領収書)を提出。並んでいる人たちに加わります。

 

 

どうやら、一度に10人くらいのグループしか中に入れないらしく、しばらく並びながらキョロキョロ。

室内には、カカポのポスターや、「カカポTシャツコンテスト」のために子供の書いたイラストなどが展示されています。

 

 

カカポの剥製も1体。これは、本島フィヨルドランドで見つかり、最後まで生き残った貴重なカカポ、リチャード・ヘンリーのものでした。

 

 

そのうちに、グループを管理している保護官の女性が、カカポのシロッコの羽を持ってきて、みんなに見せてくれました。

カカポの羽、特にダウンはふわふわです! 指先で溶けそう。

 

 

でも、私に興味があったのは、その匂い! カカポは「フリージアの花のような」いい匂いの鳥と言われているんです。

私は、実は前も何回か嗅いだことがあるんですが、確かにいい匂いなので、何度も嗅ぎたくなっちゃうんです。

その匂いは・・・・

ちょっと爽やかで・・・・

ちょっとスッキリしていて・・・・

ちょっとけものっぽい・・・・

なんか不思議な匂いなんですよ!

でもクセになりそうな感じ(笑)

目の前およそ30cm!? ヒナとじっくり対面したよ

ようやく番が来て、ちょっぴり階段を上がると、目の前にガラスで仕切られた広さ10畳ほどの囲いが。

そして、ガラスのすぐ向こうに、すでにカカポのヒナがもぐもぐ赤い木の実を食べているではないですか!

ガラスに近づくと、もう目の前30cmくらい! 近い!

今回、目の前にいたカカポは、2羽でした。インバカーギルには6羽いて、その6羽を3グループに分け、2羽ずつお披露目していたのです。

ガラスの中にいたのは、ロハくん(オス、生後68日、1.6キロ)アタレタちゃん(メス、生後64日、1.2キロ)

このアタレタちゃん、以前ブログを書いたときには生まれたばかりだった! なんか、感慨深いです。

 

私たちは、おそらく10分〜15分くらい、ヒナと一緒にいられたんじゃないでしょうか?

その間、ほとんどの時間、ロハくんはコプロズマという木の実を食べ続けていました。近くにオウム用のペレットもあったんだけど、「自然の実が好きみたいで、ペレットにはまだ手をつけていないわ」ということ。

そして、ときどき、こちらを向いて、不思議そうにじっと見てくれました!

一方のアタレタちゃんは、もうすでにご飯を食べ終わったらしく、もうちょっと奥の方に座りながら、ウトウト。最後の方では、ぐたっと胸まで地面につけて、寝ちゃう感じでした。

幸い、アタレタちゃんもこちらに顔を向けたまま寝ていたので、よく顔が見えたのですが、ロハくんと比べると、体も小さいけど、クチバシが細い!

これは、カカポのオスとメスを見分けるポイントなんです。クチバシの幅が広いのがオス、狭いのがメスなんです。

バランスが変? ヒナは変てこ動物感がいっぱい

カカポのヒナは、およそ3ヶ月で巣立つので、あと3週間くらいで巣立ちです。

しかし、まだ体中にふよふよと綿毛が飛び出していて、尾羽も短く、まだ「裸ん坊」感が残っています。

最後の数分、ロハくんがようやく木の実を食べるのをやめて、歩き出しました。

その歩く様子が、なんか変!

巨大な足を持て余しているようで、言ってみれば短めのスキーを履いているような、よたよたした歩き方なんです。

太ももも妙に長くてしっかりしているんですが、頭から足までのバランスが変。

ヒナといる間、写真撮影はできなかったんですが、幸いヒナたちの様子が動画でアップされています。動画の中の、2分10秒くらいからの歩いているカカポの様子を、ぜひ見てみてください。妙な動物っぽさが溢れています(笑)

Skrrraark! A behind the scenes look at some kākāpō chicks at our hand rearing facility.

Sirocco Kākāpōさんの投稿 2019年4月12日金曜日

 

鳥というより哺乳類? 天敵のいない国で進化した結果

カカポにもうひとつ特徴的なのは、その目。

ときどきガラスの外を見つめてくれるのですが、その目が、黒目がちでクリクリ。

鳥の中には、瞳が小さくて、何か冷たい印象を与えるものもいますが、このカカポ、は目を見れば「考えていることが分かる」感じ。これは、まさに哺乳類に感じるものです。

ニュージーランドはもともと肉食の哺乳類がいなかったため、他の土地だったら哺乳類がいるべき場所(ニッチ)を鳥が占めています。カカポも、鳥なのに地上をのそのそ歩き、巣穴の中で子育てしたり、言ってみれば暮らしぶりがちょっと「うさぎっぽい」。可愛さも似ちゃったんでしょうか?

今年はこれで、カカポの数も200羽をゆうに超えました。

これが保護の大きな転換期になることは間違いなし。カカポがもう少し身近に見られるようになる日がくるといいなあ。保護官のみなさん、お疲れ様です!

 

PS.クィーンズタウンから来ていた3人組のかわいいガイドさんに会いました! カカポのチケットが売り切れで、見られなかったということで残念! お名前を聞きそびれたので、よかったらコメントかメールくださいね。

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