Kia Ora! うちだいずみです。
ダニーデンのロイヤルアルバトロスセンターで見られるロイヤルアホウドリは、地球上で唯一、人里に近いところに巣を作ってくれるアホウドリ。世界の他のアホウドリたちは、みな離島に暮らしているので、ダニーデンでヒナの成長をみられるのは、本当にラッキーです。
今年は、現在まで23羽のヒナが順調に育っています。その中でも特別なのは、ロイヤルカムと呼ばれるライブストリーミングで、世界中の人が見守ってきた1月31日生まれのメスのヒナ。ピッパ(Pippa)と呼ばれているこのヒナに、もうすぐ正式名称がつけられるのですが、その投票権はみなさんにあります! 8月26日が締め切りです。
今回は、ピッパのこれまでを振り返り、最終選考に残った名前についてもご紹介しましょう。
目次
ピッパが生まれてからこれまでを、ロイヤルカム動画で振り返る
アルバトロスコロニーでは、毎年、数十の巣が作られますが、ライブストリームで全世界に子育てが公開される一家は「ロイヤルファミリー」と呼ばれています。
今年のロイヤルベビーであるピッパは、21歳のオスのOGK(足環の色がO=オレンジ、G=グリーン、K=ブラック)と、25歳のメスのYRK(足環の色がY=イエロー、R=レッド、K=ブラック)の間に生まれたメスのヒナです。卵が生まれたのは2019年の11月14日。そこから80日間も、オスメスが交代で卵を温めます。
1月になって、卵の胚が順調に生育しているかどうか、レンジャーのシャリンさんがキャンドリング(卵をライトで照らして中を調べる)をしにやってきました。OGK(オス)が「近づいちゃだめ!」というようにクチバシを鳴らしますが、シャリンさんがそっと替えの卵を入れると、落ち着きます。
ピッパが孵化したのは、1月31日。父親のOGKが温めているときでした。母親のYRKは餌をとりに出かけていました。
YRKが戻ってきて初めて自分のヒナを見た時の心温まる映像があります。OGKとYRKが羽繕いをしあい、OGKが立ち上がって「ほら、孵ったよ」というように見せると、YRKが「良くやってくれたわね」というようにまた羽繕いをするんです。ロイヤルアホウドリは、とても夫婦仲がいいんです。
ロイヤルベイビー・ピッパちゃんは、レンジャーの人が定期的にチェックします。小さいうちは、親が常についていますが、親にちょっとヒナをお借りして、袋に入れて体重測定をします。
そのうちに、親がいなくても、ひとりでお留守番するようになります。お兄さん、お姉さんがいっぱい来て、ちょっとびっくりしたり。
すくすく成長したピッパ。5月5日にはもう、6.7キロにまでなっています! 大きなバスケットに入れての体重測定です。
なんと、同じ年に生まれた赤ちゃんオットセイから訪問を受けたこともありました! 可愛すぎる。
そして今は、もう親とほとんど同じ大きさ! 首の周りにふわふわの綿毛は残っていますが、もうすぐ一人前です。数日に1度しか親が戻ってこないので、お腹がペコペコ(今は、巣立ちの時のために、ちょっとダイエットがいるんです)。
ヒナたちは、ほとんどが9月中に巣立ちますので、ロイヤルカムで見られるのもあと少し(動き回っているので、最近はロイヤルカムに映っていないことも多いです)。そして、巣立ち前に、幼名から正式名がつけられるのです。
ピッパの名前候補、5つに絞られました!
ニュージーランド自然保護省主催・毎年恒例の「ロイヤルベイビーの名前募集」なんですが、今年は英語、マオリ語、スペイン語、アラビア語など、2500以上もの応募がありました!
名前のテーマもありました。それは「コロナウィルス感染拡大という厳しい時代のなか、人と人、人と自然などの『つながり』を表現する名前。ロイヤルアルバトロスは世界を旅し、世界をつなげる鳥。今こそつながりを意識し、祝いましょう」というものです。
そのテーマに添い、選ばれた名前は、今年は全てマオリ語のものでした。その名前の理由を要約してみますね。
1)アタファイ Atawhai
優しさ。親切。コロナロックダウン中にジャシンダ・アーダーン首相がずっと言い続けた「Be Kind to each other(互いに優しくしましょう)」の言葉が、多くの人の心に今も残っているのですね。
2)コートゥイトゥイ Kōtuitui
つながり。ひもで結ぶ。今大事な、世界の結びつきを表現。音も可愛くて、遊び好きなヒナのスピリットも感じられます。
3)マナアキ Manaaki
大事にする。一緒に守る。親切。これもやはり、「Be Kind」のメッセージに近いもの。今、ニュージーランドの国民意識を代表する言葉のひとつです。
4)マラマ MARAMA
月。光。光明。月の光は世界中をあまねく照らし、ひとつにつなげます。また、ロイヤルアルバトロスの体の色も、月光に似ているという意見もありました。
5)ワイマリエ WAIMARIE
ラッキー。グッドラック。パンデミックの時代、そして環境問題の深刻化する時代に、私たち地球上の生き物全てにはグッドラックが必要だから、という意見がありました。
さらに詳しくは、こちらのページでご覧ください。
投票は簡単です! クリックするだけなので、是非参加してくださいね
投票は、この名前投票ページで、気に入った名前をクリックするだけなので、是非参加してくださいね。
ピッパちゃん、どんな名前になって、大空を飛ぶことになるのでしょうね。私は・・・xxx番でした!
ロイヤルアルバトロスは、少なくとも60年以上は生きる長生きの鳥です。2020年生まれのこのヒナたちが、いつまでも自由に地球上を巡って、そしてまた命を繋いでくれますように。
お読みいただいてありがとうございました。
Ka Kite Ano! (See you again!)
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