ソフトネックvsハードネック? ニンニク分類の謎に迫る

毎年2月、夏が終わる少し前が、我が家のニンニクの収穫の時期です。新鮮なニンニクは、ほんの小さなものでも香りが鮮やかで、料理がとても引き立ちます。

このニンニク、実はいろいろな種類があること、ご存知ですか?

ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ 28/1000

Kia Ora!  うちだいずみです。

ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ、28個目の今回は、庭で収穫したニンニクの分類の謎に挑戦します。

我が家の最初のニンニクは、友人のお母さんの形見でした

ニンニク。この素晴らしき植物!

何が素晴らしいかというと、植えておいたら、ずっと何もしないで放っておいても、必ず収穫できること。

庭仕事ド素人だった私には、これは本当にありがたい。特に、結婚前は、仕事等で何ヶ月も家を空けることもあったので、そういう年はニンニクしかできなかった、と言っても良いでしょう(とほほ)。

それに、我が家のニンニクには特別な思いもあるのです。

もう20年も前になります。町のファーマーズマーケットに買い物に行ったら、会社の同僚が露店を出して、ニンニクを売っていたんです。その同僚は、少し前にお母さんを亡くしたばかりだったので、ちょっと落ち込んでいるんじゃないかな、と心配だったのですが、割と明るい顔でニンニクを売っていました。

「このニンニクは、どこから来たの?」

「うん、母がずっと作ってて、趣味程度に売ってたんだけどね。土地も処分しなくちゃならないから、最後に売ってるんだよ」

「そうなんだ・・・・」

「これ、カカヌイ・ガーリックっていうヘリテージ種で、味もいいんだよ」

「じゃあ、これを植えれば、育つの?」

「うん、もちろん! 母も、育ててくれたら、いちばん喜ぶよ」

その時、1ダースくらい買って植えたのが、我が家のニンニクの始まりです。それから、その同僚のお母さんに「まだずっと育ってますよ」と報告するような気持ちで毎年育てています。

鮮やかな赤い皮! ヘリテージ種ならではの美しさ

 

さて、これが我が家のガーリックなんですが、色鮮やかでしょう?

私は、日本にいた時には白いガーリックしか見たことがなかったので、こんなに色の違うのもあるんだ、さすがにヘリテージ種だな、と感心しました。

それに、スーパーで売っている中国産のガーリックと比べると、味が随分違います。香りがとても強く、スパイシーで、さっぱりした味なのです。

では、そもそも、ニュージーランドにはどんな種類のニンニクがあるんでしょう?

これを機会にがっつり調べてみました!

ソフトネックとハードネック。ニンニクの違いはどこ?

まず大きく分けて、ニンニク(Allium Sativum)は、ソフトネックとハードネックという2種類があります。

ニンニクが育っていくと、球の中心から茎が出てきて(ニンニクの芽にあたります)、その先に花が咲いて、種ができます。植物の多くはそうですよね? こうして種子を作って繁殖する性質を「稔性」と言うんですが、この出てくる茎が硬いものは、ハードネックと呼ばれます。

ところが、ニンニクの中には、このように茎/花蕾が出てこないものがあります。種子を作らず、株で増えていこうとするこうした性質を「不稔性」と言います。こうしたニンニクは硬い茎がない球ができるので、ソフトネックと呼ばれます。

そう言われてみると、うちには実は、どちらの種類もあることに気づきました。

この写真の、左には真ん中に茎が見えますよね? ハードネックです。

そして、右には茎がありませんよね? ソフトネックです。

あれ? うちにあるのはみんな同じ種類だと思ってたのに。

私は今まで、収穫が遅れて芽が伸びちゃったやつは硬い茎が入っていて、早めに取れば茎がないのかと思ってました。実際は、色は同じでも、違う種類だったんです(大汗)。

考えてみれば、時々、オーガニック・ショップで買ったニンニクも植えていたので、気付かないうちにカカヌイ・ガーリック以外のものも植えていたのかもしれません。

じゃあ、ファーマーズマーケットで買ったカカヌイ・ガーリックはどちらなんでしょう??

そして、カカヌイ・ガーリックでないのは、なんというガーリックなんでしょう?

ニュージーランドの市場にあるニンニクの種類、大調査!

そこで、今、ニュージーランドの市場に出回っているものを、かなーり頑張って調べてみました(以下の種業者を参考にしました。Setha’s SeedsKoangaCatosSentinel SeedsCountry Trading Co.Ltd.

<ソフトネック種>

Printanor ニュージーランドでいちばん多く商業栽培されている。ソフトネック。フランス原産、白い外皮、白い鱗片、長持ち

Southern Softneck アカロアに移民してきたフランス人の子孫ヘンリー・ハリントンのコレクションで、フランス原産ヘリテージ種。中〜大サイズの鱗片。味が深くピリッとする。白い外皮、鱗片の皮はちょっとピンク。Henry’s soft-topと呼ばれるものと同じか?

Takahue :Takahuiとも言う。ソフトネック。北島ダーガビルで発見されたニンニク。おそらく、19世紀校半にクロアチアのダルメチア地方から来たカウリガム採掘工が持ち込んだもの。ベイ・オブ・プレンティのTorereで栽培しているバイオダイナミック農家がいるので、Torere Garlicとも。養分を与えれば大きく育つ。

Ajo Rojo :Spanish Redとも言う。ソフトネック。味が強く、甘みがあって、栽培しやすい。ローストに向く。白い外皮、鱗片の皮はピンク。

Tulare soft neck :Tulareはカリフォルニアの地名なので、アメリカ西海岸原産か? California Early という昔商業栽培されていた種と同じかも?

Te Pirita soft neck Te Piritaはカンタベリーの地名なので、カンタベリー農家の栽培種か?)

<ハードネック種>

Easy Peel Purple :紫の外皮はとてもむきやすい。ハードネック、スパイシー、6〜10片。NZ Purpleと同じ種類か? あるいはSouthern Purple Maincrop Rombacoleと同じか?

Hangarian Pink:東欧原産。ハードネック、スパイシーで香りが強いヘリテージ種、8〜10片。白い外皮、鱗片の皮はピンク。

Rocambole Early Red hard neck:Serpent Early Red ともいうらしい。南島に適していて、3月に植えると12月に収穫ができる早生種。先端が蛇のようにくるっと丸くなる茎が生える。

Rocambole Early White hard neck : 味が強く、効用がある。先端が蛇のようにくるっと丸くなる茎が生える。

<その他>

Elephant Garlic : 実はニンニクではなくて、リークの仲間。大きな鱗片、味はマイルド。丸ごとローストに適している。

いろいろあるんですね! しかも、ニュージーランドの歴史に密接に関わっていて、とっても面白い!!

では、我が家のカカヌイ・ガーリックはどっち?

さて、ニュージーランドのにんにく事情も分かったし、謎は解けるか? と思いましたが、そうは簡単にいきませんでした。

肝心のKakanui Garlicが、ハードネックかソフトネックか、はっきりしなかったんです!

なぜかというと、CatoではKakanui soft neck、SentinelではKakanui hard neckとして販売されているんです(どちらも、とても味がいいが、後でピリッとするといわれている)。

そこでさらに情報を探し回り(←凝り性)、ガーデニング掲示板NZのガーリックマニアの投稿などを見た結果、ニュージーランドで売られているニンニクは、ちゃんと種類の同定ができているものはひとつもない、という記述が見つかりました・・・! それでも、30種類くらいは名前のついたものがあるらしいことも分かりました。

そんな・・・今更言われても・・・・

こうなったら、私が今までのリサーチと私自身の経験を元にして、同定してしまいましょう。

まず、私がファーマーズマーケットで買ったKakanui Garlicですが、これはKakanui soft neckと同定します。なぜかというと、最初植えた頃は、硬い茎のものはなかったからです。

そして、もうひとつのハードネック種は、Rocambole Early Red hard neck と同定します。なぜかというと、この種の花蕾は、必ずこの写真のように、くるっと丸まります。そして、この種の説明の中に、南島での栽培に適していて、かなり良く見かける種と書いてあったからです。

これで、独断ながら、一件落着とします!

いやあ、時間かかった(笑)。しかも、正確かどうかはわかりません。でも、ニュージーランドのニンニクは、こんな風に結構適当に地名をつけちゃったり、推測をしたりしながら「種類」として成立しているものが多いらしいことが大体わかりました。だから、DNA検査でもして同定する日もくるかもしれないけど、今はこれで、まあいいんじゃないかな?!

ニュージーランドでニンニク栽培している皆さんも、「うちのはこれかな?」と予測してみてくださいね! 結構楽しいです(^^)

あと、ニンニクの味ですが、肉や野菜をオリーブオイルと炒める時に、いちばん鮮やかに分かると思います!

今日もお読みいただいてありがとうございました。

Ka kite ano! (see you again!)

 

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