ライブハウスでの撮影の特徴のひとつは、ステージ上に人、マイク、楽器など、たくさんのものがあること。
その中から、お目当ての人などだけを撮影しようとしても、難しいことがほぼ8割だと思っていてください。
そこで、打つ手は2つあります。
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人や物が沢山あるステージを撮る2つのアプローチ。
1つ目は、自分が動けるならば、動いてベストポジションを取ること。できるだけクリアな視界を得られるように、どうしても必要ならば、さっと舞台の中心最前列に入り込んで撮る、ということもできます。ただし、他のお客さんの邪魔にできるだけならないように、十分気を配ってくださいね。
上の写真は、まさに沢山の人がパブ/ライブハウスで飲みながら音楽を聞いているところを、横から「ササーッ」と入っていって、ミュージーシャンの1.5メートルくらい手前に仁王立ちし、10秒くらい連写をし、「ササーッ」とまた引き下がる、というのを3回繰り返して撮ったもの。
「邪魔にならない」と「撮影する」を両立させたいため、ちょっとだけご迷惑を承知で撮っています。
2つ目は、他のバンドメンバー、マイク、楽器などを前景/背景として写りこませること。この場合、対象だけを浮き立たせたいので、被写界深度(A)は浅くして、他の要素はいい具合にボケさせたいですね。
この場合は、被写界深度(A)モードでF2-F5くらいで撮影してみて、ブレないようにスピードとISO調整をしてください。
「額縁」も、写真の要素として大事な意味を持っています。
友人のモダン・カントリーバンド、Melissa and The Dr がライブをするというので、見にいきました。ゲストにバイオリニストも登場!
下の写真では、ステージの背後にいたバイオリニストを撮影したかったんですが、私はそのときいた場所から動くことが出来ませんでした。

f5.6 S1/100 140mm -0.67ev ISO 10000 #MelAndTheDr
そこで、手前のシンガー、メリッサさんを入れ込み、額縁のように構図を作りました。
写真のメインはバイオリニストでしたが、バンドの中心人物は手前のシンガー。なので、かすかに微笑んでいる彼女の表情もうっすら分かることが、写真にとって大事な要素になっています。
同じ手法で、違う角度から、ギタリストを前景にしてシンガーも撮りました。ギタリストがちょうどスティールギター(ギターを横にして引く奏法)で演奏しているところが良くわかり、このバンドの音楽性(カントリースタイル)が見えてきます。

f5.6 S1/80 122mm -0.67ev ISO5000 #MelAndTheDr
みなさんも、いろいろ動いて、「カッコいい額縁」になるような構図を探してみてくださいね。
ライブも大盛況、ミュージシャン自身も楽しんでいる様子、伝わったかな?
自分が動けるときは、撮影対象がクリアに見えるような場所に移動しましょう。
ステージ上のものは、「額縁」と思って、撮影対象の周りにいい感じに配置できるようにしましょう。
対象だけに焦点が合うように、被写界深度(A)は浅めに調整しましょう。
バイオリニストの写真の構図 とっても好きです。
勉強になります。
サランさん、
どうもありがとう! ロングレンズがあると、お嬢さんのステージも楽しく撮れるようになりそう。
私の持っているSONY RX10IVは、600mmまで行けるので、とってもいいですよ!