ジョー・バイデン、次期米大統領へ。NZアーダーン首相の祝辞、そしてNZと米の関係はどうなる?

Kia Ora! うちだいずみです。

世界中が注目した2020年アメリカ大統領選、アメリカ時間7日の時点でジョー・バイデン氏の当選確実となりました。

この選挙結果に対して、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相はさっそく祝辞を発表。その内容およびジョー・バイデン氏とニュージーランドの関係についてもご紹介しましょう。

アーダーン首相の祝辞

ジャシンダ・アーダーン首相は、バイデン氏の当選が確実となった時点で、政府広報を通じて、今回のアメリカ大統領選の結果についてのコメントを発表しました。

以下の通りです。

“The relationship between our two countries is strong, and I look forward to developing even closer relations with the incoming Biden Administration,” Jacinda Ardern said.

ニュージーランドと米国の関係は深く、来たるバイデン政権のもとで、この関係をさらに深めることができるよう期待しています。

“As Vice President, Joe Biden was a close friend of New Zealand and visited here in 2016, the most senior US politician to do so since President Bill Clinton attended APEC in 1999.

ジョー・バイデン氏は、2016年に副大統領としてニュージーランドに来国した、わが国の近しい友人です。これは、1999年にAPECに参加したビル・クリントン大統領に続き、米国政治家で最もランクの高い政治家による訪問でした。

“New Zealand will continue to work side-by-side with the United States on the issues that matter to both of us, including the prosperity, security, and sustainability in the Indo-Pacific and Pacific Island regions.

ニュージーランドは、インド太平洋および太平洋諸国地域における経済、安全保障、持続可能性など、両国に関係する諸問題において、引き続き米国とともに取り組んでいきます。

“The campaign by the President-elect has also shown the shared interests we have in addressing global challenges like Covid-19 and climate change.

バイデン氏の大統領選でのキャンペーンは、わが国が提示してきたCovid19問題や気候変動問題のような世界全体における問題を、共通認識していることを示しています。

“There are many challenges in front of the international community right now, the message of unity from Joe Biden positions us well to take those challenges on.”

国際社会は、現在多数の難題を抱えていますが、ジョー・バイデン氏の団結のメッセージにより、両国はともに取り組んでいく立場となりました。

また、ホワイトハウスを去るドナルド・トランプ現大統領政権に対しては、同コメント内で以下のように発表しています。

“New Zealand has enjoyed positive and cooperative relations with the United States over the period of the Trump Administration, especially in the Indo-Pacific and Pacific Island regions”

ニュージーランドはトランプ政権下において、特にインド太平洋および太平洋諸島地域において、米国とのポジティブで協力的な関係を享受してきました。

非常に政治的配慮に富んだコメントですが(笑)、アーダーン政権はコロナ対策および気候変動対策においては、トランプ政権と大きく違う立場・政策を取ってきたのは周知の通りです。

バイデン政権は、選挙公約を見る限り、コロナ対策の強化や気候変動防止への積極的対応を謳っていますので、アーダーン政権とは「ともに協働していく」ための対話が容易となることは間違いないでしょう。

ジョー・バイデン次期大統領は、2016年にNZ来国

アーダーン首相が述べている通り、ジョー・バイデン氏は、オバマ政権の副大統領であった2016年にニュージーランドに来国しています。

当時、ニュージーランドはジョン・キー国民党政権全盛期で、非常に保守的でした。当時の米ニュージーランド大使館の広報記事から、どのような内容を話し合ったかを探ると、軍事/安全保障における協調体制の強化、TPPによる貿易の強化などが前面に出されており、気候変動などの対話は副次的であったことが分かります。

当時から4年が経ち、ニュージーランドは国民党から労働党へと政権が変わりました。アーダーン首相の言葉では、「経済・安全保障・持続可能性」において協調をしていき、「Covid19対策、気候変動」などに共通認識がある、としています。

果たして、米大統領となるジョー・バイデン氏とアーダーン首相が、共通認識のある分野ばかりではなく、安全保障やTPPなどの貿易対策において、どのような対話をしていくことになるのか、慎重に注目していきたいと思います。

ジョー・バイデン氏は元ラグビー選手

One News

 

2016年のバイデン氏来国の際の、もうちょっと軽い話題としては、オールブラックスとの対面が挙げられます。

バイデン氏は大学時代にラグビーのフルバックをつとめており、大のラグビーファン。オールブラックスのジェローム・カイノ選手から背番号15番のユニフォームをもらって大喜び。「このためにNZに来たんですよ」と冗談も出るほどだったそうです。

https://www.facebook.com/watch/?v=10153614856431218

バイデン氏の政策アドバイザーは、元NZ大使館員! その意味は?

Wikicommons

バイデン氏に近い場所にいる政策アドバイザーのひとりであるマーク・ギルバード氏は、なんと、2015年から2017年にかけて、米ニュージーランド大使として駐在していました。おそらく、バイデン氏の来国は、この人の尽力によるものでしょう。

マーク・ギルバート氏はNewstalkZBとのインタビューで、バイデン氏の最初にやるべき仕事として、「COVID19対策、アメリカ人をまとめ直すこと、世界諸国および多国籍機関との関係改善」を挙げています。

ニュージーランドの関係においては、2つの分野での改善がスタートとなると語っています。

ひとつは、気候変動パリ協定への復帰。これはニュージーランド政府が重視している点です。もうひとつは、貿易面、特にサプライチェーンの改善。中国に関わるサプライチェーンの改善を示唆しています。

トランプ政権下でのニュージーランド政府の動きについて聞かれたギルバート氏は、一瞬の沈黙のあと、「ニュージーランドは針に糸を通す仕事をうまくやり遂げたと思います」と発言、レポーターが笑っていました。

このマーク・ギルバート氏の経歴は、実はとても変わっていて、1980年代にはメジャーリーグのシカゴ・ホワイトソックスでプレイしていたプロの野球選手だったのです。その後、投資銀行家となり、さらにバラク・オバマの大統領選において寄付金を募って1億ドル以上を集め、オバマの信頼を得ます。そして、オバマ政権下では米ニュージーランド/サモア大使となったのです。

国民党時代にニュージーランドにいて、数多くのコネクションを作っていただろうと思われるギルバート氏が、次期バイデン政権の政策アドバイザーとして、ニュージーランドとの外交にどのような影響を与えるか。この名前も、要チェックしていきたいと思います。

まとめ

世界中が注目した2020年アメリカ大統領選挙。当然、私も世界市民として関心を抱いていたのですが、ジョー・バイデン氏とニュージーランドの過去の直接対話、また政策アドバイザーのマーク・ギルバード氏の経歴など、調べてみると深い関わりがあることが分かりました。

これがいい協働¥になるのか、あるいは大国からのプレッシャーという形でニュージーランド政権に迫ってくるのか。ジャシンダ 政権はどのように対応していくのか。

ニュージーランド民として、慎重に注目していきたいと思います。

それではまた! Ka kite ano!(See you again!)

 

 

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