ある日のこと、私の友人たちが、ニュージーランドの道なき森を歩かなくてはならない羽目に陥りました。でも、彼らは軍人上がりでしたから、Tシャツ短パンで「平気平気」と出かけました。
しかし、帰ってくると、もうブーブー文句を言いっ放し。なんでも「信じられないくらいEvil(邪悪)な植物があったということなんです。
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ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ 45/1000
Kia Ora! うちだいずみです。
ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ、45個目の今回は、ニュージーランド原生のとっても痛い植物をご紹介します。
地獄の鬼の金棒・・・かと思いました。
この植物・・・・見てください。凄まじい棘を持っています。
現在は1月の下旬。夏も盛りの中、オロコヌイ・エコサンクチュアリという原生の自然を保護する施設に遊びに来たんですが、そこのレア植物セクションで、高さ1メートルほどもあるこの植物に遭遇。
一目見て、あまりの凄まじさに「地獄に行ったら、鬼がこういう金棒を持っているに違いない」と思ってしまいました。
この植物、スピアグラス(槍のような草という意味)の仲間で、ニュージーランドには固有種が40種類ほど存在します。
スピアグラスは海岸線から中程度の山にまで、ニュージーランド全土に広がっているのですが、見た目だけではなく、とにかく硬くて痛い。しかも、この伸びた花部分だけではなく、下の草のところも硬く尖っていて、触ると超絶痛いのです。
ニュージーランドの道なき森の中などを歩いていて、たまたまこの草を踏んでしまったりしたら、どんな屈強な大人でも「うぎゃーーっ!」とさけんでしまうこと必至の、極悪の痛みなのです!
実際、私の友人たちも、スピアグラスがたくさん生えていることを知らずにTシャツ・短パンで山を登ってしまい、傷だらけになって帰ってきたことがあります・・・
羽のようなスペインの剣と言うけれど・・・
オロコヌイ・エコサンクチュアリで守っているこの種は、スピアグラスの中でも、Featherly Spiniard(羽のようなスペイン人 Aciphylla glaucescens)という種だそうです。
「スペイン人」というのはちょっと解せないのですが、おそらくスペイン人の持っていた鋭い剣のことを指すのではないかと思います。
さらに、「羽のような」という全く実情に合わない名前がついているのは、おそらく葉っぱが細いからでしょうが、細いからといって痛くないわけではありません。
私、この植物のトゲトゲ具合を密着して撮ろうと、ものすごく近づいたのですが、葉っぱに当たって「いてて、いてて、いてーお」とバナナ・ボートの歌みたいに口ずさんじゃってましたよ。
(一応、バナナ・ボートを知らない方のために、貼っておきます)↓
トゲがあるのは、○○から身を守るためだそうです。
でも、生物が特徴的な形をとるには、何か意味があるわけです。
人をいじめようとしているとしか思えないこのトゲトゲも、進化の過程でできたものです。そうじゃなければ、ニュージーランドだけで40種類もいらないじゃないですか。
その理由が、こちらです。
トゲの下から顔を出している、可愛らしい果実。
自分の子孫を残すために、花を守る。種を守る。
からだ全部を使って、守り抜いています。
こんな風に、鋭いトゲを編み上げていたら、どんな敵もなかなか手を出せませんよね。
では、この植物が、花や実を食べる「天敵」としていたのは何かというと、今では絶滅してしまった巨鳥・モアだと考えられています。
今ではいなくなった敵から子孫を守るために、現在もがっつりとトゲを立てているスピアグラス。
そう考えると、けなげな生き物にも見えてきませんか?
私には、そう見えます・・・・遠くから見る時に限ってですが!
えーすごい植物ですね。初めて知りました。
羽のようなスペイン人には見えない(笑)けど
天敵から守るために健気に頑張ってるって感じします!でももういないよーって教えてあげたいけど!
バナナボート、笑ってしまいました。そしてしばらく頭の中でなり続けています 笑
コメントありがとうございます❤️
そうなんですよねえ、もう天敵いないのに頑張っちゃってて、ちょっと困る(笑)
いや、でも人間が天敵かなー。こういう植物じゃなかったら、ガンガン抜いたりしていそうですもんね。
そう思うと、やはり今もトゲが必要なのかもしれないです。
バナナボートさながら、本当にいてていててなんですよー、我ながら笑っちゃいました(笑)
初め 写真だけ見たときは 何?何?何かモダンアート?!と思ったのですが 巨大とげとげの植物だったんですね~(笑)
この植物を 羽のようなスペイン人???
とても不可解ですが ニュージーランドとスペイン人は 歴史的な何かがあったのですか? それとも この植物はスペインにもあるのかな?
絶滅種のモアという巨大な鳥がいたんですね。ダチョウはモアの子孫なのかな?
サランさん、コメントありがとうございます(^^)
謎な名前ですよね、スペイン人(笑) まあ、スペインの剣、以外には考えられないんですよ。ニュージーランドとは関係ありません!(笑)
モアはダチョウやエミューの親戚で、体高4メートルにも達する巨大な鳥だったんですよ! 今いたら、すごかっただろうなー。ちょっと怖いけど(笑) 昔のニュージーランドに、タイムマシンに乗って行ってみたいです。