つい最近、娘の高校でWORK DAYという日がありました。この日、娘は学校に行かないで、お金を稼ぎに出たんです!
娘は高校1年目。親子共々、いろいろ知らないことばかり。面白い経験をしています!
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ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ 61/1000
Kia Ora! うちだいずみです。
ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ、61個目の今回は、ニュージーランドの高校ではスタンダードなイベントらしい(!?)、ワーク・デー(WORK DAY)のお話をしましょう。
WORK DAYって何?
ワーク・デーとは、一言で言えば、高校生が丸々1日学校に行かずに、家かどこかで仕事をしてお金を稼ぐ日のことです。
私がワーク・デーのことを初めて知ったのは、当日のほんの1週間前のこと。高校から長いメールが届きました。
読んでみると、”来週の月曜日はWORK DAYと言って、学生は仕事をして15ドルを稼ぎ、それを生徒会に寄付する” ということらしいです。
私は「ふーん、学校休みなんだー」とぼんやり思い、「まあ、いざとなったら家の仕事をしてもらって、私が払う、みたいな感じかな〜」と甘く考えました。
娘も何も言わなかったし、ちょうど仕事が忙しかったので、実はそのまま忘れちゃったのです。
え! 雇用主が記入するカード!? 早く言ってよ!(←)
娘が急に、
「月曜日はWORK DAYだから、これまで通っていたシュタイナー学校に仕事に行きたい」
と言い出したのは、土曜日のこと。なんでも、同じ学校から来た友達2人が、WORK DAYで母校に行くらしいのです。
「ええっ? そんなこと言われても、もう週末で、校長先生に話すこともできないよ?」
「でも、誰かからカードも書いてもらわなくちゃならない」
「ええええっ! 何それ、雇用主から書いてもらうカードなんてあるの?」
・・・・メールにちゃんと書いてありました。ちゃんと読まなかったから気づきませんでした(←)。
そこで改めて「生徒会ワークデーのお知らせ」というメールをきちんと読んでみました。
- ワークデーは、5月20日(月)。
- 生徒会主導の、大事な毎年恒例のイベント。
- 稼いだお金は生徒会が集め、学校やコミュニティのプロジェクトや、生徒の遠征の資金にする。
- 仕事は自宅でしても、コミュニティ内でしてもよく、月曜かそれ以前に行う。
- もし生徒が当日仕事をしないで学校に来たければ、図書館で自主勉強してもよい。
- 生徒は雇用主から「誰のために働いたか」「何ドル得たか」「雇用者の連絡先」を指定のカードに書いてもらわなくてはならない。
- ジュニア(最初の2年)は15ドル、シニア(あとの3年)は20ドルが目標、ワークデー翌日に持ってくること。
- 合計で一番多く稼いだハウス(注:生徒は4つのハウスに分かれて、それぞれ競い合う。ハリー・ポッターみたいな感じ)は、トロフィーをもらえる。
こ、これは、生徒の社会参加を促して、生徒会への貢献をするという大事なイベントじゃないですか! 今更気づきました・・・。
だったら、家で手伝いをしてもらってお茶を濁すよりも、ちゃんと社会参加をしてもらった方がずっといい!
そこで、急遽考えに考え、ご近所さんが「いろいろ手伝って欲しいわあ」と言っていたことを思い出し、すぐに電話!
仕事のオファーを快諾してもらいました! 良かった・・・。
WORK DAYで娘がしたこと
さて当日。朝9時半に娘と一緒にご近所さんの家へ。
実は、近所ではあっても、家の中に入るのは初めて。こちらの方は、スチールを多用した家のデザインと建設をしているミニ建設会社なのです。奥さんのトレーシーさんが笑顔で迎えてくれました。
聞けば、トレーシーさんが高校時代もWORK DAYというのはあったそうです。何十年も前からあったということなんですね!
トレーシーさんは、自分の体験として、
「最初の年は、父親が冷蔵庫の製造をしていたから、そこに手伝いに行って、火炎放射器みたいなものを使って1日中断熱材の接着をしてたわ! 次の年は父の友人が輸出業をしていたので、箱に重いエンジンパーツを詰め込む作業をしたわ! 私は競争心が強いから、他の人に負けないように頑張ったわ」
ということ。では、うちの娘は何をしたか、というと、こんなことをさせてもらいました。
- ファイリング用の箱を組み立てた。
- 3万リットルの貯水タンクの値段をインターネットで調べて比較した。
- オンラインで車のトレイラーの登録をした。
- 書類の整理をした。
- オフィスに掃除機をかけた。
- キッチンの棚の前あたりを掃除した。
- 羊に餌をあげた。
- 干し草を移動した。
これで、20ドルももらって帰ってきました! しかも、お昼ご飯に市販のお寿司を買ってもらいました。
トレーシーさん、ありがとう! かえってご迷惑になったのでは・・と心配ですが、こういう形でニュージーランドでは、学生に社会体験の機会を与え、そして「寄付」のような形でお金を出してくれるんだなあ、と感心しました。
他の子たちはどんなことをしたのかな?
他の同級生の子たちは何をしたのか、いろいろ聞いてみました。
すると、母校に行った子たちは、薪運びをしたり、クラスに行って先生のサポート役として個々の子供達が困っているところなどを助けてあげたとか。先生に直接聞いてみると、
「生徒たちが、もう、尊敬のまなざしだったわよ!」
ということだったようです。
また、他の子は、家で洗車をしたり、掃除をしたり、庭仕事をしてお金を稼いでいたそうです。
どうやら、うちの子のように、あまり知らない人のところに行ってお金を稼いできた(というか、貰ってきた、のほうが近いですね)子はあまりいなかったようですが、 WORK DAYがニュージーランドで広く知られているものなら、来年も本当の職場体験をさせたいな、と思いました。
WORK DAYはどうやって始まったのだろう
ご近所さんによると、どうやら昔からあるらしいWORK DAY。他の学校ではどうなのか調べてみたら、全ての学校で開催しているのかどうかは分かりませんが、かなり多くの学校でやっているようでした。
そして、集めたお金は、娘の学校では生徒会が使いましたが、他の学校ではチャリティなどに使っていることが多いようでした。
いったいどこからスタートしたのかと思い、調べたのですが、アメリカで 女性の地位向上のために “Take your Daughter to Work Day” というイベントが1992年にスタートし、それが “Take your Sons and Daughters to Work Day”という形に発展した、というのが元かなあ?と思います。
ただ、トレーシーさんはもっと前に高校生だったのでは?という気もしており、ニュージーランドのこの動き、もうちょっと調べてみたいと思います。
いずれにしても、ちゃんと稼いで社会のことを見る機会。WORK DAYは、うまく使えば、学校を休む価値のある1日だな、と思いました。
今日もお読みいただいてありがとうございました!
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