ニュージーランドの野生動物を守れ! 『Wildlife Rescue (第2回)』キンメペンギンのヒナで大わらわ編

2018年1月にオープンしたダニーデン野生動物病院(ワイルドライフ・ホスピタル)。「ニュージーランドの野生動物の首都」と呼ばれるダニーデンに、院長である獣医師リサ・アルギラさんが情熱をかけて開いた専門病院です。

少ない予算と少ないスタッフでスタートしましたが、すぐに予想をはるかに超える「大盛況」になってしまい、てんてこまいの毎日を繰り広げます。

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Kia Ora! うちだいずみです。

ニュージーラドの遊び方を1000個見つけるブログ、TVシリーズ『Wildlife Rescue New Zealand』(ワイルドライフ・レスキュー・ニュージーランド/NHNZ制作NZ On Air協力ChoiceTV放送)の放送内容を、制作会社NHNZ社の許可を得て、徹底解説してお届けしています。

今日は2回目の放送内容をお伝えしましょう。病院のスタッフは、このみなさんです。

 

 

ニュージーランドでは ChoiceTVのサイトで見られるので、まだ見ていない方は、先にオンラインで番組を見てから読んでくださいね!

ペンギン津波、到来!

 

2018年。夏とともに、野生動物病院にはおとずれたのは、キンメペンギンのヒナたちによる「ペンギン津波」でした。

「体の小さなヒナがいるということで、いいわよ、世話するわ、と言ったのが最初だと思うんです。そうしたら、次から次へとどんどんペンギンが来てしまって、もう大変!」(シニア・ナースのジーナさん)

 

 

これが、スタッフの名付けた「ペンギンTUNAMI」。

ダニーデン野生動物病院は、オタゴ・ポリテクニック(専門学校)獣看護師科の建物の1部にある、小さな病院なんですが、ひっきりなしに各地からヒナがやってくるので、「海鳥病棟」がペンギンのヒナでいっぱいになってしまったのです!

 

 

「汚くなるし、臭いし、私もフンまみれだし」と、ぶつぶつ言ってみる院長のリサさん(でも心からペンギンを愛しています)。

そして、ナースのエミリーさんは、

「ペンギンのうんちは柔らかくて、ぐちょっとしてるの。うんちが乾くと、コンクリートみたいに硬くなっちゃって、ゴシゴシしなくちゃならないのも厄介。でも、うんちを使って、絵を描いたりして遊ぶと楽しいわ」

・・・エミリーさん、コメントが面白すぎる。うんちでどんな絵を描くんでしょうね?

キンメペンギンのヒナたちがこんなに沢山病院にやってきたのには、理由がありました。この年、オタゴ地方では、雨が異様に沢山降ったために海中が濁り、視覚で魚を探し出して捕まえるキンメペンギンの親たちは、子供に十分な食べ物を獲ることができなかったのです。

 

 

お腹を空かし、体重が増えないヒナたちを、巣立つ前に十分太らせるのが、病院のお仕事です。

「私たちがしているのは、バンドエイドみたいな応急処置にすぎないんです。世界的な規模で気候変動とか海の変化が起こっているので、私たち人類が地球との関わり方を変えないかぎり、この子たちが苦しみ続けることになるんです」(院長のリサさん)

 

 

「ここにいるヒナたちは、もう体重5〜6キロなくてはいけないのに、全て4キロに達していなかったんです。巣にこのまま残しておいたら、100%死んでいたでしょうね」(院長のリサさん)

キンメペンギンは、今、ニュージーランド本島には約700羽しか残っていないと言われています。ここ20数年で、8割ほども数が減ってしまっているのです。これ以上、数を減らすことは、種の存続そのものを脅かす事態。1羽1羽が大事な鳥なのです。

ペンギンのお守りは楽じゃありません

 

もちろんこのペンギンたちは野生の鳥であって、「触っちゃイヤ」と、暴れたり、鋭いクチバシで突ついてくるものが沢山います。

「これがケレル(ニュージーランドバト)27羽っていうなら、問題はないんだけどね。ペンギンは散らかしやだし、突っついてくるし、鳥によっては2人がかりで餌をやらなくてはならないの」(院長のリサさん)

 

ナースのエミリーさんがペンギン餌やり体験を話してくれました。

「最初の頃のことだけど、ジーナが私に餌やりを任せて、どこかに行ってしまったの。ところがこのペンギンがものすごく気難し屋で、暴れるから、ジーナが戻ってきたときに私は部屋の反対側に逃げて後ろを向いていたのね。ジーナが『どうしたの?』って声をかけてきたけど、私はどわーっと泣いちゃっていたの。ジーナが『大丈夫よ。ちょっと休んで、散歩しておいで』って慰めてくれたわ」(ナースのエミリーさん)

 

 

「怖いというよりは、予期していなかったからショックが大きくて。突かれると焼けるように痛いのよ。指とかの肉を塊で取られちゃうこともあって」(ナースのエミリーさん)

・・・それは、痛そうです。

 

でも、もっともキツイ一撃をくれたのは、亜南極の島から本島近海に迷い込んできたシュレーターペンギン(Erect-crested penguin)だったようです。

 

 

「シュレーターペンギンくんは、私のことが大好きで、キスマーク(love bite)をあげようって決めたのね。ちょうどケージから出すところで、私はかなり離れていたんだけど、急に飛び出すおもちゃ(Go Go Gadget)みたいに長い首が伸びてきて、『エミリーの首にキス!』ってされたの」(ナースのエミリーさん)

 

 

・・・エミリーさん、可愛い。そしてポジティブ・シンキング! ハプニングがいっぱいの動物病院は、ユーモアがないとお勤めできないですね。

ちなみに、エミリーさんが言っていた”Go Go Gadget”とは、ガジェット警視という漫画の登場人物が披露する、飛び出す道具のようですよ。

退院するヒナたち

 

ある程度太ってきたら、ヒナたちは、それぞれのやってき場所へと戻っていきます。

 

戻った先でも、ペンギンたちのことを大事に守っていく人たちがいます。

そして、海も落ち着いてきました。海中の堆積物が沈んで、水が澄んでくれば、食べ物を獲ることができます。

 

しかし、病院はまだまだ忙しい日々が続きます。この続きは、また次回お届けしましょう。

それでは、Ka kite ano! (See you again!)

 

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