ニュージーランドのクリスマスツリー、ラタとポフツカワの違いはどこ?

南半球の島国、ニュージーランドでは、クリスマスは夏にやってきます。なので、クリスマスツリーも、雪をかぶるのではなく、盛大に咲き誇っています! 特に真っ赤な花を咲かせている特徴的な木を、ニュージーランド・クリスマスツリーと呼ぶんです。

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ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ 3/1000

 

Kia Ora! うちだいずみです。

ニュージーランドの遊び方を1000個見つけるブログ、3個目の今回は花を愛でましょう。

日本人に「さくら」があるように、ニュージーランド人にも「これを見ると、しぜんと心がときめいてしまう」 という花があります。

それが、ニュージーランド・クリスマスツリー。クリスマス時期になると、見事な花を咲かせます。

 

赤くフサフサした大きな花が眩しくて、緑の葉とのコントラストで、どんなところに生えていても、すぐ目にとまります。

あんまり鮮やかなので、近くに見に行ってみたら、ウォンウォンウォンとものすごい響きが。

 

 

すごい数のハチが集まってきていたんです!

すると、娘が怪しい動きをはじめました。

これ、何をしているのだ、娘?

 

 

オリンピックの聖火ランナーごっこか?

いいえ、自分の持っている花のところに、ミツバチちゃんを呼ぼうとしていたのでした。

何度かトライしたら、もといた花から手にした花のところに、歩いて来てくれましたよ。可愛い。

 

 

ついでに舐めちゃえ(舌が蜜に届かなかったので、味がわからなかったそうです)。

 

北島と南島で違うXマスツリー!? ラタとポフツカワの見分け方。

この木は、サザン・ラタ(Southern Rata)といいます。

え、ポフツカワ(Pohutukawa)じゃないの!?

ニュージーランドに住んでいる方なら、そう言うかもしれません。

実は、ニュージーランドにはクリスマスツリーと言われている木が数種類あるんです。そして、北島に多いポフツカワが、クリスマスツリーとして一般的に知られています。

でも、私の住んでいる南島に多いのは、ラタ! 北島の方が住んでいる人が多いので、ポフツカワにクリスマスツリーのタイトルを取られがちなのですが、ラタも立派なクリスマスツリーとして認められているんですよ。

このポフツカワもラタも、同じような赤い花を咲かせるので、一見しても分かりません。しかも、ラタの中にも数種類あって、普通に見られるのはサザン・ラタとノーザン・ラタ(Northern Rata)という2種類です。これらの花を見分けるポイントは、実は葉っぱにあるんです。

ラタとポフツカワの見分け方
⭕️ポフツカワ    葉っぱの裏にふわふわした毛のようなものが生えている。

⭕️サザン・ラタ   葉っぱの裏がつるつるで、葉っぱの先が尖っている。

⭕️ノーザン・ラタ  葉っぱの裏がつるつるで、葉っぱの先に凹みがある。

これで、あなたもニュージーランドのクリスマスツリーのエキスパートです!

童話にも登場! ラタとポフツカワはいとこ設定。

「僕たち、いとこ同士に違いないよ!」。

ニュージーランドには1950年代に一斉を風靡した”Adventures of Hutu and Kawa“(エイビス・エイカーズ作『フツとカワの大冒険』日本語訳なし)という、クラシックな童話があります。

 

この童話は、ニュージーランドの代表的な動植物がほとんどすべて出てくるフェアリーテイルで、絵もお話もとっても可愛いんです。

主人公は、ポフツカワの花の妖精・フツくんとカワくん。この赤いモヒカン刈りみたいな男の子たちが、流れついた島でラーちゃんとターちゃんという、自分にそっくりの女の子たちに会い、「僕たち、いとこ同士に違いないよ!』と言うんです。

ラーちゃんとターちゃんは・・・そう、ラタの花の妖精です(ネーミングが分かりやす過ぎ!)。

 

フツくんが言う通り、ポフツカワとラタは、生物学的にもちゃんといとこ同士。どちらもフトモモ科メトロシデロス属の植物です。

そして、ポフツカワとラタの間には「ハイブリッド」すなわち交配種もあります。このフツくんとカワくんも、ラーちゃんとターちゃんと結婚して子供を作っていくかもしれませんね。

(余談)昔からフトモモ科と聞くと、どうしてもこそばゆい気持ちがしていたのですが、今回調べてみたら、「蒲桃」という字が当てられていて、中国名プートゥが変化したもの、ということが分かりました。でも覚えやすいので、NZのクリスマス・ツリーは太ももということにしておきたいと思います(笑)

ラタとポフツカワに忍び寄る脅威、ポッサム

ラタとポフツカワは、かつて、海岸線や山に森をつくって広がり、春になると美しい赤に染めていました。しかし、そうした森が戻ってくることはない、と言われています。それどころか、その将来を懸念されています。

理由はいろいろありますが、もともとの原因は、人間です。特にラタは非常に硬い木で、木材として適しているために、多くが切り倒されました。また、ラタもポフツカワも、農地などを作るために切り払われた場所が多数あります。

そしてさらに、現在の最大の脅威は、オーストラリアから毛皮をとる目的で移入されたポッサム(フクロギツネ)です。ポッサムは、赤い花や若芽、葉などを食べ、2年ほどで木を殺してしまうのです。

そのため、プロジェクト・クリムゾンという、ポフツカワとラタの保護だけに特化した団体が、植林などをして守ろうとしています。

NZのクリスマスツリーはニュージーランド人の心のふるさと。いつまでも見事な赤い花が見られますように。

 

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