【スピな本棚】『あるヨギの自叙伝 パラマハンサ・ヨガナンダ著』第1章を読む

Kia Ora!  うちだいずみです。

『あるヨギの自叙伝 パラマハンサ・ヨガナンダ著』は、スピリチュアル界のことを全て網羅しているとも言われている大書。インドの聖人にして、西欧にヨガを広めたヨガナンダ。彼の自伝であるこの本は、Apple創立者であるスティーブ・ジョブスやビートルズのジョージ・ハリソンに多大な影響を与えたとして知られています。

私も2年ほど前に1度、友人に勧められてざっくり読んだのですが、改めて「ちゃんと」読んでみたいと思い、章ごとに書かれていた内容をまとめてみることにしました。

ですので、まだ読んでいない方には、完全にネタバレになってしまいますので、どうぞその点ご了承ください。

今回は、ヨガナンダの幼少時代を描いた第1章の内容をまとめました。ちなみに、私は英語版を読んでざっとまとめていますので、翻訳が日本語版と違っていたり、もしかしたら解釈が間違っている可能性もあります。その点も、どうぞご了承ください。

途中で本文の引用や、私のコメントも少々入っています。読み手として未熟であるかもしれませんので、こちらもあらかじめお断りしておきますが、コメント等、歓迎です!

第1章 My Parents and Early Life (両親、そして子供時代)

ヨガナンダは、言葉を話せないうちから、すでに驚愕の体験をしています。章の内容を順に追っていきましょう。

幼少期 ー 過去生の記憶

ー 師との出会いの話が、これから数章に渡って描かれていきます。師と弟子との関わりは、究極的な真理を追求するインド文化の特徴となっています。

ー ヨガナンダには、子供の頃から過去生の記憶がありました。彼はヒマラヤのヨギでした。この、次元を超えた出来事を垣間見ることのできる力は、ヨガナンダに将来を見せてくれる力でもありました。

ー 過去生の記憶があったため、話せない、体を自由に動かせない幼児時代は、フラストレーションが溜まっていました。この時、彼の頭の中では、多言語で感情を表現していたそうですが、やがて周囲のベンガル語を聞く分けることに慣れてきたそうです。

過去生を記憶している幼児時代に、多言語が脳内に存在してるんですね!! 多重人格(解離性同一性障害)を描いたダニエル・キイス作『24人のビリー・ミリガン』では、英語以外を話す人格も出てきますが、もしかしたら、私たちは過去生による言語や文化の混乱などを避けるために、生まれる前に全てを忘れているのかな、と思いました。

ー 過去生の記憶をもつ等のことは、多くのヨギに見られることで、特異なことではありません。

Man is essentially a soul, incorporeal and omnipresent.

人間は本質的に魂であり、霊的かつ偏在する存在なのです。

 

ヨガナンダの家族構成・幼名

ー ヨガナンダは1893年1月5日、北東インドの Gorakhpur に 幼名ムクンダ・ラル・ゴーシュ(Mukunda Lal Ghosh) として生まれました。8人兄弟姉妹の、4人目の子でした。

ー 父は バガバッティ・チャラン・ゴーシュ(Bhagabati Charan)。ベンガル・ナグプール鉄道 (Bengal-Nagpur Railway) の副社長でした。善い人であったが、厳しい側面がありました。ストイックで、現実的ではありましたが金銭に執着せず、バガヴァッド・ギーターを読み、ヨガを実践していました。

ー 母は ギャナ・プラバ・ゴーシュ(Gyana Prabha Charan)。優しく、慈悲深く、困っている人には惜しみなく与える人でした。子供たちに マハーバーラタやラーマヤーナからの話を聞かせて育てました。

ー 父も母も、カースト制では支配者・戦士に当たるクシャトリヤの身分でした。

ー 父と母は深く愛し合っていましたが、同衾するのは年に1度、子供を作るためという話を、母が姉にしていました。

ラヒリ・マハサヤ大師と父母の出会い

ー 父も母も、ラヒリ・マハサヤ大師に師事していました。そのきっかけは興味深いものでした。

ある日、父の部下であったアバナッシュ(Abanash Babu) が、ラヒリ・マハサヤ大師に会いに行くために1週間の休暇を願い出ました。バガバッティは「狂信者になるつもりか?」と一笑に伏して休暇を与えませんでした。しかし、その午後、父とアバナッシュが一緒に歩いていると、ラヒリ・マハサヤ大師がどこからともなく現れ、「バガバッティ、あなたは部下に厳しすぎる」と言い、それからまた煙のように消えていきます。驚愕したバガバッティは、その場でアバナッシュに休暇を与えたばかりか、改心し、自分も妻も師事することを決めました。

のちに多数例が出てきますが、インドの聖人はバイロケーション(同じ時間に違う場所に出現する)や、遠隔視等を普通に行っているようです。父親に起きた奇跡もそのひとつでした。

ー ラヒリ・マハサヤ大師の写真のエピソードも紹介されています。もともと大師は写真を好まず、いつも他の人と撮っても、大使のところだけ何も写っていないということが続いていました。しかし、懇願されて姿を1枚だけ写させました。そのコピーを大師が自らバガバッティに与えており、家族はそれを祭壇に祀っていました。

We honored the divinity that had round full expression in Lahiri Mahasaya.

私たち家族は、ラヒリ・マハサヤ大師に完全な形で表出した神性を崇めていました。

インドの聖人というのは、神を体現したもの。神性の表れと考えられているんですね。神の遣いであるとか、神の代理、神との仲介役という解釈とは、異なっていますね。
死にかけたムクンダ

ー ムクンダ(ヨガナンダの幼名)が8歳の時、コレラに罹患して、死にそうになりました。母親は、最後の手段として、彼の頭の上にかかっていたラヒリ・マハサヤ大師の写真に心の底から祈りなさい、と命じました。ムクンダがその通りにして写真を見ると、そこから光が溢れ、彼の体を包み、完全に回復しました。その光を、母も姉も見ていました。

ー ラヒリ・マハサヤ大師が亡くなったのは、ムクンダが生まれてすぐのことで、ムクンダは大師に会えないことを悲しんでいました。しかし、やがて、その存在が偏在していることを理解し、悲しむのをやめました。ラヒリ・マハサヤ大師自身も、訪れたいと願う熱狂的な信者たちにこう言っていました。

“Why come to view my flesh and bones, when I am ever within range of your kutastha  (spiritual sight)?”

「私はあなたの聖なる眼の届くところにいつもいるのに、なぜ私の肉と骨を見に来くるのだ?」

大いなる光との出会い

少年時代のヨガナンダ(幼名ムクンダ)

ー コレラから治って間も無く、ムクンダはある朝、スピリチュアルな体験をします。光が現れ、洞窟で瞑想している姿の聖人たちの姿が見えてきたのです。問いかけると、彼らはヒマラヤのヨギでした。ムクンダは自分も同じようになりたいと切望します。その姿が消えると、今度は光が溢れ出しました。

“What is this wondrous glow?”

“I am Ishwara.  I am Light”

「この素晴らしい輝きは何なのですか?」

「私はイシュワラ。私は光である」

ー イシュワラの神により、全宇宙は秩序立ったサイクルで生まれ、消滅すると言われているそうです。イシュワラは宇宙神。is = rule(支配)の意味。

言葉の力を知る

ー 姉のウマに、おできができました。その時、ムクンダが姉の軟膏を自分に塗ったので、姉は「なぜおできもないのに、薬を塗るのか?」と聞きます。するとムクンダは「明日、ここにおできができるから」と答えます。そんなことはあるはずがない、と言う姉に対して、ムクンダが答えました。

“By the power of will in me, I say that tomorrow I shall hae a fairly larrge boil in this exact place on my arm, and your boil shall swell to twice its present size”

「私の意思の力を込めて言う。明日、私は腕のこの場所に大きなおできができる。そしてあなたのおできは、今の倍の大きさになる」

この通りになったために、姉は「魔術を使った!」と母親にいいつけ、母親は、今後決して、言葉の力を悪いことに使わないようにとムクンダを叱ります。ムクンダのおできは、手術によって取られ、一生残る傷跡となります。

I found later that the explosive vibratory power in speech could be wisely directed to free one’s life from difficulties and thus operate without scar or rebuke.

後になって、言葉の爆発的な波動力の矛先を賢く導けば、(今回のように)傷も叱咤も受けずに人生の難題から逃れることができることが分かりました。

聖母カーリー神の恵み

ー 家族はパンジャビ地方のラホレに引っ越します。

ー その地で、ムクンダは聖なる母・カーリー神の神画を手に入れ、それをバルコニーの簡易神殿に置きます。ムクンダは「この神聖な場所で望んだものは、全て手に入る」という確信を抱きます。

ー ある日、姉のウマと共にこの神聖な場所にいるときに、「カーリー神が私の望むものを全てくださる」と言ったところ、ウマが「じゃあ、あそこに飛んでいる凧2つをくれるのかしらね」と笑いました。そこでムクンダが祈りを捧げると、凧が2つとも飛んできて、手に入ったのです。ウマは「本当に神聖なる神があなたの言うことを聞いている! 私には不思議すぎるわ!」と逃げ去っていきました。

まとめ

第1章はここまでですが、過去生の記録、多言語の記憶、父母の師による奇跡(バイロケーション)、大いなる光との出会い、言葉の力の発現など、幼少期のうちに数々のスピリチュアルな体験をしていることが分かります。

そして、神への熱い想いはすでに生まれていますが、まだ若いゆえに、間違いも犯しています。

私は、あまりの驚きのエピソードの連続に、すっかり引き込まれてしまいました。「こんな世界があるんだ! インド、凄い」とホントびっくりしました。「なんだこれ?」と読むのをやめてしまう人もいるかもしれないし、何がなんだか・・と思う人もいるかと思います。でも、スティーブ・ジョブスや、ジョージ・ハリソンは、自分たちが思ってもみなかった世界を素直に、そして謙虚に受け止めたんだろうな、と思います。

第2章以降、またじっくり読んでいきたいと思います。

日本語版↓

英語版↓

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コメント

  1. 感想遅くなりました!
    実によくポイントがまとめられていてぐいぐいと読んでしまいました。第1章は現象界で長らく暮らす僕ら読者の興味を精神世界に導くための大事な章であると同時に、生き方の本質を見事に書き表していますよね。また最初から読みたくなりました!

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