NZ の庭には、どんな鳥が来るの? 見分け方をGarden Bird Survey に教えてもらおう

今年で14回目を迎える「ニュージーランド庭の鳥調査(Garden Bird Survey 2020)」。ニュージーランド国内で一番長く続く市民サイエンス調査ですが、すでにこれまでの結果から、「地域の環境の健康度」について、いろいろなことが分かってきています。

また、調査に参加する中で、私たちひとりひとりも、身近な鳥についてもたくさんのことを知ることができるのです。

前回は、参加の仕方を詳しくご紹介しました↓

今回は、鳥の見分け方、そしてこれまでに調査からどんなことが分かっているのか、その成果についてご紹介しましょう。

庭の鳥の見分け方1:大きさをざっくり判断→写真で見分ける

Garden Bird Survey による庭の鳥の見分け方、まずは、鳥をみて、大きさからザックリ分け、それから写真をみて判断する方法が紹介されています。

小さい鳥(<15cm)

まずは小さな鳥たちから。この中で、原生種は、Fantail, Silvereye, Welcome swallow, Grey warbler で、あとは移入種ですね。参考までに、英名/マオリ名/ラテン名/和名リストをつけました。

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/identification.html

【英名ーマオリ名(あれば)ーラテン名ー和名 リスト】

ChaffinchーPahiriniーFringilla coelebsーズアオアトリ
Hedge sparrow / Dunnockー(マオリ名見当たらず)ーPrunella modularisーヨーロッパカヤクグリ
New Zealand FantailーPiwakawakaーRhipidura fuliginosaーニュージーランドオウギビタキ
European goldfinchー(マオリ名見当たらず)ーCarduelis carduelisーゴシキヒワ
European greenfinchー(マオリ名見当たらず)ー
Carduelis chlorisーアオカワラヒワ
Silvereye / WaxeyeーTauhouーZosterops lateralisーハイムネメジロ
House sparrowーTiuーPasser domesticusーイエスズメ
Welcome swallowーWarouーHirundo neoxenaーオーストラリアツバメ
Grey warblerーRiorioーGerygone igataー
ニュージーランドセンニョムシクイ
Yellowhammer-(マオリ名見当たらず)ー
Emberiza citrinellaーキアオジ

中くらいの鳥(15cm〜30cm)

続いて、中くらいの大きさの鳥。ここは歌声自慢の鳥たちが揃ってますね! 原生種は BellbirdとTui が入っていますね。

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/identification.html

【英名ーマオリ名(あれば)ーラテン名ー和名 リスト】

BellbirdーKorimakoーAnthornis melanuraーニュージーランドミツスイ
Blackbird
ーManu pangoーTurdus merulaークロウタドリ
MynaーMainaーAcridotheres tristisーインドハッカ

Eastern rosellaー(マオリ名見当たらず)ーPlatycercus eximiusーナナクサインコ
StarlingーTāringiー
Sturnus vulgarisーホシムクドリ
Song thrushーTāringiーTurdus philomelosーウタツグミ

Parson birdーTūī / KōkōーProsthemadera novaeseelandiaeーエリマキミツスイ

 

大きな鳥 (30cm<)

大きな鳥の仲間では、カモメやハトはよく見かけますよね。この他にも、カカなどを家の庭で見られるラッキーな人もいるかもしれません。リストに代表で出ている鳥はこれだけですが、もちろん、他の鳥たちもカウントしてくださいね!

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/identification.html

【英名ーマオリ名(あれば)ーラテン名ー和名 リスト】

Southern Black-backed gullーKaroroーLarus dominicanusーミナミオオセグロカモメ
Red-billed gullーTarapunga / Akiakiー
Larus novaehollandiaeーギンカモメ
Australian magpieー(マオリ名見当たらず)ーGymnorhina tibicenーカササギフエガラス
New Zealand pigeonーKereruーHemiphaga novaeseelandiaeーニュージーランドバト
Rock Pigeonー(マオリ名見当たらず)ーColumba liviaーカワラバト

大きさをチョコレートフィッシュで比べてみた動画も可愛い!

ニュージーランドで誰もが知っているお菓子、チョコレートフィッシュ。魚の形をしたマシュマロをチョコレートでコーティングしたもので、これが1つ20gなのだそうです。

そこで、鳥の大きさを「チョコレートフィッシュをxx個分」と数えてみたビデオもあります。とても可愛いし、「そんなに軽いんだ!」あるいは「そんなに重いんだ!」と驚きの結果が出ていますので、ぜひ見てみてくださいね! 例えば、お子さんと一緒にカウントしたら、カウントした鳥と同じ重さのチョコレートフィッシュをプレゼント(ちょっと多すぎるかも?)などしたら、めっちゃ喜ばれると思います!

庭の鳥の見分け方2:声を聞き分ける

鳥の声を聞き分けるのは、なかなか最初はできないですが、できるととっても満足感があります! このGarden Bird Surveyのページには、まとめて鳥の声と名前が掲載されているので、この機会に、ぜひ聞いて楽しんでください。

鳥の種類が分からない場合はどうするの?

できたら、写真を撮っておくのが一番おすすめです。そして、その写真を元に、Garden Bird Survey のFacebook Groupに投稿して、聞いてみてもらうのが一番確実!

ニュージーランドには鳥が好きな人はたくさんいますから、見た時期、場所や特徴を元に、答えを一緒に探してくれると思います!

調査からどんなことが分かるの?

鳥の数を数える、という単純なことでも、多くの人が参加することによって貴重なデータになります。これまでに例えばどういうことが分かってきたのか、見てみましょう。

国全体で見て、どの鳥が増え、どの鳥が減っているかが分かる

長年のカウントの結果から、国全体で、どの鳥が増えて、どの鳥が減ったかが分かります。

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/report.html より

これを見ると、Kereru(ニュージーランドバト)、Fantail(ニュージーランドオウギヒタキ)、Tui(エリマキミツスイ)、Bellbird(ニュージーランドミツスイ)などが増えいていて、原生の鳥を増やすために植林をしたり、保護区を作って外来種を管理したり、庭にハニーウォーターを常備するなどの努力が実ってきているな、と思います。

地域ごとに見て、どんな鳥が増えているかが分かる

国ばかりではなく、地域ごとにもどんな鳥が増えているか、減っているかが報告されています。

例えばこちらはオークランド。Bellbird以外は、Kereru, Tui, Fantail, Waxeye と原生の鳥たちがとても増えていますね!

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/report.html

こちらは、私の住んでいる南島のオタゴ地方です。こちらは、Silvereyeが急激に数を減らしているのが、とても心配です!

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/report.html

みなさんの住んでいる地域では、いかがでしょうか? 私もこれを見て、地元のメジロちゃんを大事にして、りんごやみかんもあげよう、と改めて思いました!

鳥ごとの変化を見る

鳥の種類ごとに、 どの地域でどんな増減があるかも知ることができます。データを見ていて、増えてるなあ!と思ったのが、Kereru(ニュージーランドバト)です。

 

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/report.html

この右の地図の濃い青は、「急激に増加」ということ。ニュージーランドの美しく大きなハトたちが、全国的に増えているのが分かりますね! 

しかし、反対に数を減らしているのがWaxeye(ハイムネメジロ)です。

https://gardenbirdsurvey.landcareresearch.co.nz/report.html

特にオタゴ、サウスランドでここ10年、急激に数を減らしています。私も大好きな鳥なので、なんとか庭にたくさん来て欲しいです!

この他にも、地域ごとに詳細に分析したPDFや、2019年版のまとめPDFなどを見ることもできますので、興味のある方は詳しく見てくださいね。

楽しい鳥博士クイズや、塗り絵やお面作りなどキッズアクティビティもありますので、挑戦してみてください!

まとめ

ニュージーランドに来る庭の鳥たちの数を数える Garden Bird Survey。誰にでも簡単に参加できて、鳥たちのことを知る絶好の機会です。

そして、実際に国全体という大きなくくりの調査に参加できる、大事な市民サイエンティストにもなることができます。

ちょっと寒いので、暖かい格好をして、公園に行く方はホットドリンクも用意していらしてくださいね! Good luck!

お読みいただきありがとうございました。Ka kite ano!

 

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