【保存版】2019年生まれのカカポ70羽の名前と由来を、かわいい画像で一挙紹介! 1月〜2月編 

ニュージーランドで絶滅の危機に瀕した飛べないオウム・カカポ。2019年の初めには成鳥が146羽しかいなかったのですが、カカポの繁殖に大事な役割を果たす植物・リムの木が大量になり、これをトリガーとして史上最高の大繁殖しました。

卵252個が生まれ、うちヒナとして孵ったのが86羽。あいにく、アスペルギルス症の流行などで死んでしまったヒナもいますが、70羽が生き残っています!  これまで、1シーズンで成鳥まで生き残ったヒナの最高数は32羽ですから、大変な飛躍です。

2020年5月段階で、カカポの合計数は211羽となっています。

生まれたヒナには、みな、仮の名がつけられていましたが、今年に入り、誕生日ごとに「正式名」がカカポ保護チームのFacebookとカカポチームのAndrew Digby博士のTwitter上で発表されてきました。

私も心楽しくカカポたちの誕生日をお祝いしてきたのですが、全員の名前が発表されたので、ここにまとめて、名前とその由来を完全紹介します!

情報がたくさんあって、ページが重くなってしまうので、1月2月生まれと、3月4月生まれに分けました。

なお、このページにおける画像および内容は、カカポチームのアンドリュー・ディグビー博士に許可をいただいて、自然保護省のオフィシャルページのものを掲載させていただいています。どうぞたっぷり可愛い写真や動画をお楽しみください。

名前リストの見方

こちらのページの名前リストの見方はこのようになっています。

誕生日ごとに順番にカカポの名前を紹介していきます。見出しは【1】誕生日と、【2】その誕生日のカカポ(複数のことも)

続いて【3】誕生日のカカポの写真をお届けします。

その下に解説が続きますが、まず【4】幼名→正式名をご紹介します。カカポの幼名は「母親の名ー卵の生まれた順番ー1巡目(A)か2巡目(B)のどちらに生まれたかー2019年」というようにつけられています。

卵の生まれた順番とはどういうことかというと、カカポは数日かけて卵をいくつか(1個〜最高で5個)産むので、その順番を表しています。

また、カカポの母鳥の中には昨年2回巣作りをしたものがいたので、1巡目のヒナと2巡目のヒナを区別してA、Bとしています。

例えば、Waikawa2A19という名は、2019年に母鳥Waikawaが1巡目(A)の2番目に産んだ卵から孵ったヒナということです。

それから【5】母親と父親の名前、そして【5】前の由来をできるだけ詳しくご紹介しました。

最後に、名前の由来が記されているFacebookのKakapo Recovery Groupのページと、Andrew Digby博士のTwitterリンクを貼ってあります。それをクリックしていただくと、ここに掲載した写真以外のものも見られることがありますので、ぜひ見てみてくださいね!

それではさっそく、名前を発表しましょう!

1月生まれのカカポ

1月30日生まれ Kohitātea

Kohitātea Photo: Jake Osborne

Waikawa2A19→Kohitātea(オス)
mother Waikawa, father: Horton

2019年に孵化した86羽のうち、一番年上なのが、このコヒターテア。マオリ語の1月という意味です。20時32分に生まれた、とアンドリュー博士はツイートで報告しています。立ち会ったチームのみなさん、さぞかし嬉しかったでしょうね!

1月30日生まれというのは、カカポが孵化した日としては、一番早い記録となります。この繁殖期は、前年の求愛行動からすでに、記録的な早いスタートを切っていたのです。 FB / Twitter

1月31日生まれ Tōmua

Tōmua Photo: Jinty MacTavish

Tiwhiri1A19→Tōmua(オス)
mother: Tiwhiri, father: Takitimu

トームア、というのはマオリ語で To be early =早い、という意味です。コヒターテアと並び、1月に孵化というのは記録的でした。可愛い動画もどうぞ。  FB / Twitter 

2月生まれのカカポ

2月3日生まれ Tūmanako

Tūmanako  Photo: Jinty MacTavish

Tiwhiri2A19→Tūmanako (オス)
mother: Tiwhiri, father Takitimu

マオリ語で「希望」という意味。 環境大臣ユージーン・セイジさんが2019年の6月に命名し、フェヌアホウ島で実際に放鳥にも立ち会っています。私の覚えている限り、この鳥だけが早期に最初に正式名がつけられていました。人工飼育されたヒナで、人工飼育され、好奇心が強く大胆だけど、何度か死にそうになって「もうだめだろう」と思われたことも。FB / Twitter

2月5日生まれ Lind, Kewa, Ōtepoti

Lind Photo: Jodie Crane

Jemma-2A19→Lind(人の名前、オス)
mother Jemma, father: Horton

ラキウラ(スチュワート島)国立公園創立およびアンカー島の管理に尽力し、昨年引退した自然保護省のグレッグ・リンドさんの功績を讃えて、名前がつけられました。カカポのリンドくんは、最近のヘルスチェックの時にどこかに隠れていて出来なかったので、写真が小さい時のものしかなかったそうです。FB

Kewa Photo: Jinty MacTavish

Roha1A19→Kewa(オス)
mother: Roha, father: Takitimu

ケワとは、ミナミセミクジラの意味です。カカポたちの住むフェヌアホウ島はTe Ara a Kiwa(フォーボー海峡)に浮かぶ島なのですが、この海峡はマオリの祖先Kiwaがカヌーで渡るために鯨Kewaを呼んで作らせたと言われています。ブラフの環境保護団体の代表であり、地元ナイタフ族のエステレ・リースクさんの命名。FB

Ōtepoti Photo: Jinty MacTavish

Waa3A19→Ōtepoti(オス)
mother: Waa, father: Takitimu

2019年に多大な貢献をしたダニーデン野生動物病院。そのダニーデンのマオリ語名が Ōtepoti です。ダニーデン野生動物病院で人工飼育されたヒナで、片足がちょっと弱いけれども、適応して元気に育ちました。おどけもので、いつも他のヒナたちとの遊びのけんかをしていたそうです。  FB / Twitter

2月6日生まれ Manaaki, Hikoi, Elsie

Manaaki  Photo: Brodie Philp

Atareta1A19→Manaaki(オス)
mother: Atareta, father: Te Kingi

マナアキというのは、世話をするという意味のマオリ語。2019年の繁殖期には、母鳥たちが巣でヒナを育て、人間たちもヒナの世話に奮闘しました。マナアキは最初ダニーデンの野生動物病院で育てられ、それから実母のアタレタの巣に戻り、さらに養母のヒネモアに育てられました。 FB / Twitter

Photo: Jake Osborne

Marama1A19→Hikoi(オス)
mother Marama, father: Takitimu

ヒコイというのは、マオリ語で歩くという意味。人工飼育後に島に戻ったこのヒナは、すぐ島を何周もぐるぐる歩き回り、保護官は「いるはずのところにいない!」と探すのにとても苦労したそうです(笑) 地元の子供が名付け親になりました。  FB

Elsie  Photo: Jake Osborne

Waikawa4A19→Elsie(メス)
mother: Waikawa, father: Horton

元シニアレンジャーであるジョー・レディングトンさんのおばあさんの名前がつけられたエルシー。小さな頃からとても独立心が強く、この写真では、高さ8メートル、サプルジャックという蔦の絡まったところに隠れています。カモフラージュが上手なので、見つけるのも大変ですね。  FB

2月8日生まれ Atatū, Porowhita

Atatū Photo: Jake Osborne

Atareta2A19→Atatū(メス)
mother: Atareta, father: Te Kingi

アタトゥとは、マオリ語で夜が明けた直後のことで、ちょうどカカポたちが眠りに入る時間です。名付け親はレンジャーのジェイクさん(写真もいっぱい撮ってますね!)で、この言葉も好きだし、また幼名のAta-2A というのが「アタトゥ」と聞こえることが名前の由来となっています。アタトゥは人工飼育されたヒナで、レンジャーの間の人気者。気が強く、一緒に育てられたオスのヒナたちを追い回し、またグループの中で一番木登りが上手でした。 FB

ふわふわ小さい頃の動画も披露されていますよ!

Porowhita Photo: Brodie Philp

Marama1A19→Porowhita(オス)
mother: Marama, Father: Takitimu

ポロフィタというのは、丸いという意味のマオリ語です。地元の子供が名前をつけました。いつか大人になったら、このポロフィタも、体をまん丸にして一晩中恋の相手を呼ぶのでしょうね。ポロフィタは母親のマラマに育てられました。 FB/ Twitter

2月9日生まれ Deans, Pōtonga

Deans  Photo: Jake Osborne

Boomer1A19→Deans
mother: Boomer, father: Tamahou

今年没後90年になるリチャード・ヘンリー氏は、ニュージーランド最初の自然保護者と言われ、カカポやキウイを守るために尽力しました。この若鳥には、リチャード・ヘンリー氏のお気に入りのフィールド・アシスタント、アーサー・ディーンズさんの名前がつけられました。リチャード・ヘンリー氏が長年保護活動をしていたリゾリューション島は、ディーンズの住んでいるアンカー島の隣にあります。 FB

Pōtonga  Photo: Brodie Philp

Evohe1A19→Pōtonga(オス)
mother: Evohe, father: Te Kingi

カカポの家系には、同じジャンルの名前をつけた一族がいます。大おばあちゃんノラの孫で、風の一族エヴォへの子であるこの若鳥には、「南風」という意味のポトンガと名が付けられました。ヒネモアとハウトゥルに育てられました。 FB

アグリーカカポ時代の様子がTwitterで紹介されていますが、これはどちらかな?

 

2月10日生まれ Horopito, Ranger, Rere

Horopito Photo: Brodie Philp

Aparima2A19→Horopito(オス)
mother: Aparima, father: Basil

ホロピトとは、ニュージーランド原産の植物の名前で、葉が唐辛子のようにピリッとするので料理に使われます。バジルの子なので、ハーブ系の名前がつけられたのです。孵化したときからずっと、養母ハウトゥルに育てられました。  FB / Twitter

Ranger  Photo: Lydia Uddstrom

Hinemoa2A19→Ranger(オス)
mother: Hinemoa, father: Horton

元レンジャー監督のカレン・アンドリューさんの誕生日に生まれたこの鳥は、カカポの保護をしている全てのレンジャーの献身的な仕事を讃える意味で、カレンさんによって名付けられました。バクテリア感染のためにオークランド動物園に入院し、とてもリラックスしたいい子という評判でした。 FB

Rere Photo: Jinty MacTavish

Roha3A19→Rere(メス)
mother: Roha, father: Takitimu

レレ、というのはマオリ語で飛ぶ、跳ねる、逃げるの意味。 名前の通りのおてんばさんです。小さいときから、人工飼育中に噛み付いて暴れ、いつも自分の意見を持っているヒナでした。アスペルギルス検査のためにクライストチャーチの病院に送るときには、逃げないよう特別の袋に入れたのですが、噛んで穴をあけてしまいました(写真)。フェヌアホウ島で屋外に馴らすための柵に入れたときには、柵から勝手に逃げだして丘に向かって歩き出してしまい、レンジャーにようやく捕まえられました。カカポらしい個性全開ですね! レンジャーのサラさんによって名付けられました。 FB

 

2月11日生まれ Whaea Jane, Kōhengi, Major, Gale

Whaea Jane  Photo: Jake Osborne

Atareta3A19→Whaea Jane(メス)
mother: Atareta, father: Te Kingi

ファエア・ジェーンとは、2019年に亡くなったナイタフ族のジェーンおばさんから名前がつけられました。マオリ人と自然保護省の間の架け橋となり、祖先の土地であるフェヌアホウ島やカカポと深い関わりを持ってきたジェーンさん。息子のタネ・デイビスさんは、2005年からカカポリカバリーグループにナイタフ族代表として参加しています。養母のアランガに育てられたこの若鳥は、今は独立してフェヌアホウ島で暮らしています。  FB / Twitter

アグリーカカポ時代の写真もとても可愛いです!

Kōhengi Photo: Photo: Brodie Philp

Evohe2A19→Kōhengi(メス)
mother: Evohe, father: Te Kingi

コヘンゲは風の一族エヴォへの娘で、「そよ風(breeze)」という意味。大おばあちゃんノラのひ孫に当たります。 FB / Twitter

Major Photo: Brodie Philp

Mila1A19→Major(オス)
mother: Mila, father: Horton

南島南西部のピュイセギュール・ポイントにある灯台では、1880年代にペットとしてカカポを飼っており、そのカカポの名前「メイジャー(少佐)」から名付けられました。このペットのメイジャー君は、灯台守の犬ヘクターと大の仲良しで、ニワトリを追い回し、テーブルに置いてあるお皿やスプーン、ナイフなどを投げ落とすのが大好きだったそうです。カカポを良く知る保護官たちには、納得できる鳥だったそうですよ。 FBTwitter

Gale Photo: Andrew Digby

Nora2A19→Gale(メス)
Mother: Nora, father Tutoko

ゲイル(強風という意味)は風の一族の1員で、ノラの娘です。この名前は、2019年にアスペルギルス症で最初に命を落としたホキを偲んでつけられました。ホキも風の一族で、幼名をゲイルと言い、保護のために人工飼育された初めての鳥でした。  FB  / Twitter

2月12日生まれ Hau, Tūtānekai

Hau Photo: Brodie Philp

Boomer2A19→Hau(メス)
mother: Boomer, father: Tamahou

風の一族の一員。ハウとは、軽風という意味です。この写真は、Mila2A19と共に、養母アタテラの巣で撮影されたものです。 FB / Twitter

Tūtānekai Photo: Brodie Philp

Marama3A19→Tūtānekai(オス)
mother: Marama, father: Takitimu

トゥタネカイというのは、マオリの伝説の男性の名前です。トゥタネカイはロトルア湖に浮かぶモコイア島に住んでいた若者で、彼と美しい女性ヒネモアは恋に落ちました。ヒネモアは家族の反対を押し切って、トゥタネカイの吹くフルートの音を頼りにロトルア湖を泳いで渡り、結婚したそうです。

昔、ニュージーランド最初の自然保護者と言われるリチャード・ヘンリーがカカポやキウイの保護に奮闘していた時に、このトゥタネカイの名をつけた蒸気船が、南島のダスキーサウンドを運行していました。そこで、この蒸気船から、名前をとったそうです。 FB / Twitter 

2月13日生まれ Sage, Whakakini, Ᾱio、Mati-Mā

Sage Photo: Brodie Philp

Aparima3A19→Sage(オス)
mother: Aparima, father: Basil

父親がバジルというハーブの名前なので、ハーブつながりでセージという名前がつけられました。3羽の養母に育てられました。名付け親は、元レンジャーのテオさん。  FB / Twitter

Whakakini Photo: Lydia Uddstrom

Hinemoa3A19→Whakakini(オス)
mother: Hinemoa, Father: Horton

ファカキニというのは、目配せ(ウィンク)という意味。右目が少し落ち込んでいて、ウィンクしているように見えるために、獣医のチェルシー・ディロンさんにこう名付けられました。ファカキニはアスペルギルス症にかかってしまい、オークランド動物園で治療をしましたが、優しい男の子で同室の女の子からちょっといじめられがちだったそうです。今はフェヌアホウ島で元気にしています。  FB / Twitter

Ᾱio Photo: Brodie Philp

Mila2A19→Ᾱio(メス)
mother: Mila, father: Horton

アイオ、というのは、マオリ語で穏やかな・平穏なという意味。カカポが自分の住む自然環境といかに結びついているかを表す意味で、レンジャーのリッキー・アンさんが名付けました。もっとも、このアイオちゃんは、レンジャーがチェックしようとすると、穏やかとはとても言えない行動をとるので、いつか穏やかになって欲しいという願いも込められているようです。 FB / Twitter 

Mati-Mā Photo: Jake Osborne

Rakiura1A19→Mati-Mā(メス)
mother: Rakiura, father: Komaru

マティ・マとは、マオリ語で白い指という意味。片方の足に白い鉤爪があることから、レンジャーのジェイクさんが名付けました。マティ・マは、装着していた無線機が無くなってしまい、2019年末に再発見されるまで、島でしばらく行方不明になっていました。  FB / Twitter

2月15日生まれ Marangai, Kōraki

Marangai Photo: Andrew Digby

Boomer3A19→Marangai(オス)
mother: Boomer, father: Tamahou

マランガイは風の一族で、東風という意味です。マランガイはフェヌアホウ島の日東側で、養母フハナとクィニーに育てられたので、東風という名前がぴったりです。  FB / Twitter

Sage and Kōraki Photo: Brodie Philp

Nora3A19→Kōraki(オス)
mother: Nora, father: Tutoko

コーラキはノラの息子で、やはり風の一族。北風、という意味です。養母ヤスミンに育てられたときに、同じ巣のセージと一緒に撮った写真。これを見ると、カカポの羽の色にバラエティがあることがよく分かります。左のセージくんは緑、右のコーラキくんはオリーブ色ですね。  FB / Twitter 

2月16日生まれ Tautahi

Tautahi   Photo: Lydia Uddstrom


Rakiura2A19→Tautahi(オス)

mother: Rakiura, father: Komaru

タウタヒは「天空の一族」と呼ばれる、空の名前がついた族の一員です。タウタヒの父親であるコマル(太陽、という意味のマオリ語)は、一族のはじまりであるソルスティス(冬至という意味)の息子です。

タウタヒというのはおおいぬ座で一番明るい星、シリウスの意味。Dog star とも言われる星です。カカポの保護には、保護犬と言われる犬たちが活躍しています。背負った無線が外れてしまったカカポを探し出したり、島に残っているかもしれない外来侵入種を探し出すために、特別に訓練された犬が使われているのです。その犬たちへの感謝も込めて名付けられました。   FB / Twitter 

 

2月17日生まれ Koru

Koru Photo: Lydia Uddstrom

Kuihi-2-A-19→Koru(メス)
mother: Kuihi, father: Tutoko

コルというのは、シダの若芽のスパイラルのことで、新しい命、成長、平和を表しています。このコルちゃんは、アスペルギルス症でオークランド動物園で治療を受けました。とても穏やかな優しいヒナで、聞き分けのいい患者さん。美しく明るい緑色の羽をしています。  FB / Twitter

2月20日生まれ Tuarua,

Tuarua Photo: Sarah Little


Pearl2B19→Tuarua(メス)
mother: Pearl, father: Boss

トゥアルアとは、繰り返し/重複という意味。2019年は、カカポの大繁殖が見込まれたため、最初に生まれた卵を母鳥の元からとって人工飼育し、卵を失くした母鳥がもう一度交尾、巣作りをするように促しました。カカポチームにとっては大変な仕事でしたが、おかげで、1シーズンに2回卵を産んだメスがたくさんいます。このトゥアルアは、2回目に生まれた卵の中で、一番最初に孵化したヒナです。アスペルギルス症にもかかりましたが、回復しました。

また、母鳥のパールは、最初の巣にミズナギドリが入ってきたため、これは諦めたそうです。  FB / Twitter

Tutū Photo: Bryony Hitchcock

Tumeke2A19→Tutū(メス)
mother: Tumeke, father: Te Atapo

トゥトゥというのは、マオリ語で目立つ、という意味。その名の通り個性的で、自分の考えをがっつり持っています! ヘルスチェックなどの時には大きな声を上げることがあり、ご馳走をあげようとしても断固として食べないことも。小さい頃、母親トゥメケの2羽目のヒナだったので、Tu-2Aと呼ばれており、これがトゥトゥという風に聞こえることも名前の由来となりました。

養母クィニーにとって、トゥトゥは初めて見たヒナでした。ヒナを見て、お腹の下に入れようとしたけれども、ヒナをひっくり返して引きずっちゃったクィニー。アンドリュー・ディグビー博士は、モニターで見ながらハラハラしていたそうです。

しかし、その後クィニーは素晴らしい母親ぶりを発揮。このトゥトゥを含む3羽のヒナを育て上げ、やがてはこの3羽のヒナたちの合計体重は、クィニーの体重の4倍以上にもなったそうです。FB / Twitter 

2月21日生まれ Huhū

Huhū Photo: Lydia Uddstrom

Huhana2A19→Huhū
mother: Huhana, father: Guapo

フフという名前は、母親のフハナを偲んでつけられました。フハナはとても忍耐強いお母さんで、どんな難しい子にもちゃんとご飯を食べさせて、育てることができましたが、あいにくアスペルギルス症で死んでしまいました。

フフ自身もアスペルギルス症にかかり、オークランド動物園で治療を受けました。とてもアクティブな鳥で、回復してフェヌアホウ島に戻って間も無く、羽の継ぎ目の軟組織を痛め、オークランド動物園に逆戻り。友達のトイロアと一緒にフェヌアホウ島に戻ってからは、木登りなどを楽しみました。

フフというのは、マオリ語では、鳴く、叫ぶ、呻く、フンフン言うなどの声を出すという意味です。動物園にいる間、フフは、捕まえると必ずグーグーと不満そうな声を出していたそうです。 FB / Twitter 

2月24日生まれ Meri, Huarangi

Meri Photo: Brodie Philp

Tumeke3A19→Meri(オス)
mother: Tumeke, father: Boss

カカポ・リカバリーグループの大スポンサーであるメリディアン・エネジー社の貢献を感謝して、メリという名前がつけられました。メリは英語のMerry(楽しい)のマオリ語読みでもあります。メリは最初、母親のトゥムケに2回目の産卵を促すために人工飼育され、さらに体調が一時不安定だったために2回目の人工飼育を受けています。しかし、特に養母ヒネ・タウマイのおかげで元気に育ちました。  FB / Twitter

Huarangi Photo : Andrew Digby

Alice2A19→Huarangi(メス)
mother: Alice, father: Boss

フアランギというのは、リムの実のこと。リムはカカポの繁殖の引き金になり、またカカポが子育てする間の大事な食料となります。今年はフェヌアホウ島で17年ぶりに大量のリムがなり、それが大繁殖を起こしました。  FB / Twitter

2月27日生まれ Vori

Vori Photo: Brodie Philp

Alice3A19→Vori(メス)
mother: Alice, father: Boss

ヴォリは、アスペルギルス症にかかった鳥の中でも、一番酷い状態でした。オークランド動物園に連れていかれたとき、肺の中はアスペルギルス真菌のためにすっかりブロックされている状態でした。しかし、今は完全に治り、元気に島で暮らしています。

アスペルギルス症の治療のために使ったヴォリコナゾール(voriconazole)という薬から、名前がとられました。ヴォリは威張りんぼで、一緒に入院している他のヒナたちを追い回すこともありました。   FB / Twitter

2月28日生まれ Verity,  Scotty

Verity Photo: Brodie Philp

Bella3A19→Verity
mother: Bella, father: Juanma

ニュージーランド最初の保護官であるリチャード・ヘンリーの伝記「Richard Henry of Resolution Island」を書いた作家ジョン&スザンヌ・ヒル夫妻。そのスザンヌさんの旧姓がヴェリティということで、名付けられました。

ヴェリティはたくさんの養母によって育てられ、ヒナの間に健康面で心配が何度かありました。FB / Twitter

Scotty Photo: Scott Latimer

Queenie2A19→Scotty (オス)
mother: Queenie, father: Tutoko

スコッティは、2018年にヘリコプターの事故で亡くなった元レンジャーで、保護犬ハンドラーのスコット・テオバルドさんを偲んで名付けられました。現在、自然保護区を作るとき、外来侵入種の駆除の一助として保護犬が使われていますが、もともとはスコットさんが始めたものでした。カカポのスコッティは、生まれたときからとても元気で、ずっと健康に育ちました。これはヘルスチェックを受けているところ。 FB / Twitter

まとめ

1月・2月生まれのカカポ、36羽の名前の由来、お楽しみいただけましたでしょうか。1羽1羽にいろいろな思いが込められていますね!

それにしても昨年の今頃は、第1巡目がだいぶ落ち着いたと同時に、すでにトゥアルアのように2巡目のヒナも孵りはじめ、カカポチームは本当に大忙しでした。

しかし、4月に入ってからアスペルギルス症の流行で大変なことになり、その影響も名前に現れていますね。

続きの3月・4月生まれも、どうぞお楽しみに!

それではまた! Ka Kite Ano!(See you agan!)

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